深い森と清流に抱かれた杉水(すぎのみず)町で薬味専門店を営んでいる「農家と薬味 小作」さん。

石川県加賀市山中温泉から車で約20分、深い森と清流に抱かれた杉水(すぎのみず)町で薬味専門店を営んでいる「農家と薬味 小作」さん。

店主自らが限界集落の畑を耕し、栽培期間中は農薬も化学肥料も使わずに育てた野菜や山の幸を原料に、唐辛子ブレンドや塩麹、季節の柚子胡椒など “ひとさじで里山を味わえる” 調味料を手づくりしています。

-本日は、石川県加賀市の杉水町で「塩麹塩+」を作っている「農家と薬味 小作」のお二人にお越しいただきました。さっそく自己紹介をお願いしてもよろしいですか。

北出さん:「農家と薬味 小作」のスタッフの北出と申します。

霜下さん:霜下です。よろしくお願いします。

杉水町はどんなところ?

杉水町の場所や雰囲気を教えていただけますか?

北出さん:山中温泉の温泉街から車で約20分、加賀市で最も奥の町です。昔は炭焼きで栄えていましたが、今は農業と小さな店を営む人が多く暮らしています。

霜下さん:東京からなら北陸新幹線で加賀温泉駅まで約3時間半、そこから車で1時間弱。公共交通機関が少ないので、レンタカーやタクシーが便利ですね。

看板商品「塩麹塩+」の誕生秘話

調味料選手権2024塩部門で最優秀賞を受賞した「塩麹塩+」

調味料選手権2024塩部門で最優秀賞を受賞した「塩麹塩+」はどんな商品ですか?

北出さん:自社栽培の玄米を清流の水で玄米麹にし、能登の珠洲塩を加えて、塩麹を仕込みます。その塩麹を乾燥・粉砕し、珠洲塩を足します。そこに原木しいたけの粉末をブレンドし、しいたけの旨味や香りを“プラス”した商品になります。

塩麹を乾燥させようと思ったアイデアや、しいたけの粉末を入れようという発想はどのように浮かんできたのでしょうか。

霜下さん:元々は唐辛子を乾燥機でパリッと仕上げていた経験から、いろんなものを乾燥させたら面白いのでは?と思い、いろいろ試していく中で、常温保存が難しい塩麹を乾燥させたらどうだろう…と作り始めたのがきっかけです。

北出さん:しいたけの粉末を入れようと思ったのは、弊社の商品の中に「きのこ塩」という商品があり、愛用してくださっている方が多かったからです。塩麹にきのこの風味や旨味を足したら喜んでもらえるかもと思い、作ってみたらおいしくできたので商品化することにしました。

原材料の80%を自分たちで生産している

他の商品についてもお伺いしてもよろしいでしょうか。

北出さん:この土地でどの農作物が杉水町の水と合うのかなと試していく中で、唐辛子がとても相性が良いことがわかり、一味唐辛子を作ったことから始まっています。それから少しずつ山の恵みや、自分たちが生産できるものの中から相性の良いものを足して薬味を作っています。

厳選調味料(中に入る薬味は小作さんが厳選してくれます!)

・一味唐辛子
・二味唐辛子
・三味唐辛子
・六味唐辛子
・柚子胡椒
・練り柚子胡椒(期間限定)
・ふきのとう塩(期間限定)

唐辛子は数字ごとに入っているものや辛さ、風味、香りが違ってくるので、お客様にはお好みのものを見つけてもらえたら嬉しいなという想いで、さまざまなラインナップを作っています。

全ての商品は杉水町で作られているものを使用しているのでしょうか?

霜下さん:他の生産者さんにお願いしているものもありますが、原材料の80%は自分たちで作っています

杉水町で採れる素材の魅力

杉水町ならではの作物や山の恵みの特徴を教えていただけますか?

霜下さん:標高は約300mとあまり高くないのですが、山菜やミョウガ、ヨモギなどが豊富に採れて、野菜も含め柔らかく育つ傾向にありますね。

北出さん:山の恵みで採れるものはどれもエグみが少なくて、味が濃いんです。
土も水も良いからか、作っている野菜も切っただけで瑞々しさを感じたり、良い香りがするなと感じています。

霜下さん:杉水町の気候は、唐辛子と特に相性が良いのですが、日中と夜間の寒暖差がある関係で、辛味が強く出る傾向にありますね。

おすすめの使い方は、炊き立てごはんのおむすび

塩麹塩+のおすすめの使い方を教えてください。

北出さん:炊きたてごはんをおむすびにするときのお塩を「塩麹塩+」にすることが好きですね。素材そのものの味を引き立ててくれて、冷めても旨みが前に出るのでお弁当にも最適なんです。お客様からもそのような声をいただいて嬉しく思っていますし、それぞれのご家庭で様々な楽しみ方をしていただいているのがありがたいなと感じています。

小作さんが描くこれからの展望

今後作っていきたいものや挑戦したいことはありますか?

北出さん:安心して手に取って食べてもらえるものをお客様の食卓にお届けしたいという想いがありますね。あとは、杉水町自体を次世代に繋いでいきたい、もっと知ってもらいたいという気持ちがあるので、お客様の声を活かしながら商品をブラッシュアップし、町を知ってもらう入り口にもなれればと思っています。

ありがとうございました!

小作さんとのインスタライブはこちらから