TOBA TOBA COLA・ナオコさん
鹿児島県の離島・喜界島(きかいじま)出身。
高校まで島で過ごした後、シンガポールで働き、激務の中コーラやエナジードリンクを愛飲していたことがきっかけでスパイスへの興味を持つ。
結婚報告のために帰省した際、フードロスになっている島のみかんをどうにかしたいと思い、「TOBA TOBA COLA」を開発した。

喜界島でクラフトコーラ「TOBA TOBA COLA」を製造・販売しているナオコさん

-本日は、鹿児島県の喜界島でクラフトコーラを作っている「TOBA TOBA COLA」のナオコさんにお越しいただきました。さっそく自己紹介をお願いしてもよろしいですか。

こんにちは。鹿児島県喜界島の出身のナオコです。シンガポールで働いてたことがキッカケでスパイスが好きになり、今は夫と一緒に喜界島で「TOBA TOBA COLA」を製造しています。

「何もない」のが喜界島の魅力

-喜界島の魅力を教えていただけますか?

「何もない」のが魅力ですね。沖縄と屋久島、種子島の間、奄美大島のすぐ横の小さい島で、動物や植物など多様性があって、とにかく自然豊か。見どころはあるけれど、観光地化されていないこともあって、島に来た人は島の人とのコミュニケーションを楽しみながら、 ほっこりした感じになる方も多いです。

-私もずっと行きたいと思っているんですよね。

鹿児島空港から飛行機で約70分と意外に時間がかかるので、頑張らないとなかなか来れない場所ではあります。でもその分、すごくプライスレスな経験ができるかなと思います。

特産品はサトウキビ

-喜界島の特産品を教えていただけますか?

島の特産品は、サトウキビですね。私の家もガラッと窓を開けたら目の前がサトウキビ畑なんです。とにかくあちこちに生えていて、12月後半から収穫時期に入ります。そんなサトウキビで作った黒糖や、黒糖焼酎も特産品ですね。

TOBA TOBA COLA誕生のきっかけは「在来種の島みかん」

-どうして喜界島でクラフトコーラを製造しようと思ったのでしょうか。

実は初めからコーラを作ろうと思ったわけではなく、 結婚報告をするために島に帰省した際に、近所や島のあちこちに生えているみかんの木から、消費しきれないものがぼたぼた落ちているのを見たんです。今まではその光景が普通に見えていたけど、改めて目にした時にすごくもったいないなということに気がついて。

その時に、「何かできないかな」「何かしたら面白いな」「スパイス好きだし、コーラにできるかも」と思ったことがキッカケですね。

-コーラは元々お好きだったんですか?

シンガポールで働いてた頃、すごく激務だったこともあり、朝にコーラやエナジードリンクをご飯代わりに飲んでいたんです。

シンガポールでは、ハーブ系の手作りドリンクがよく売られていて、飲むと疲れが取れたり、風邪をひきにくくなったり、いろんな効果があったことを思い出して、コーラも作れるんじゃないかなと思ったんです。

-シンガポールでの経験がインスピレーションに繋がったんですね。ちなみに、TOBA TOBA COLAにはどんなスパイスが使われているんですか?

TOBA TOBA COLAには14種類のスパイスとコーラナッツというナッツが入っています。本来のコーラの原料になったとも言われているナッツで、ムスクのような香りと、 土気のある味わいなんですよね。これは、私たちが好きだから入れている感じです。

-そんなコーラナッツといろんなスパイスを使って、今の商品が出来上がったんですね。

そうですね。一番初めに試作した時は、今のTOBA TOBA COLAとは程遠い味わいのコーラができて…料理好きな夫・キースに半年かけてレシピを調合してもらい、このスパイスだ!と掛け合わせて作っていったら14種類になりました。

試行錯誤の末に完成したTOBA TOBA COLAのおすすめの飲み方

-開発にあたり大変だったことはありますか?

抽出方法やスパイスの引き方にも色々あって、温度や荒さだったりで味わいが変わってくるので、それを決めるのが結構大変だったように思います。

-たくさん試行錯誤を重ねられたんですね。

子どもにも楽しんでほしかったので、 どこまでまろやかにするか悩みましたね。スパイスの濾し方や混ぜ方なども試行錯誤しました。

-実は私の8歳の娘がTOBA TOBA COLAが大好きなので、子どもでも飲める味っていうのは保証します。

ありがとうございます。ミルクと割ったり、寒い日はお湯割りにしていただいてもおいしいです。お湯で割ると生姜とかの香りが出てきやすいのか、スパイスの香りも変わってくるので、また違った味わいが楽しめます。

-今度お湯割りにして飲んでみます!他におすすめの飲み方はありますか?

お酒で言うとホットワイン。赤ワインにTOBA TOBA COLAを大さじ2、3杯入れて、ちょっとレンジで温めていくと香りがたってきて、パーティーや寝る前、リラックスタイムにオススメです。

みかんを収穫しながら島の人との交流を楽しむように…

-コーラを作る過程で、島の方とのエピソードはありますか?

フードロスになっているみかんを収穫しに地域を回っているんですけど、その時におばあちゃんが、「七草粥よかったら食べてって」って作りたての七草粥をいただいたことがあったんです。みかんの香りに包まれながら、熱々の七草粥をいただいて、とても嬉しかったことを思い出しました。

みかんの収穫をしながら、みかんの木の話を聞くことも多くて。「ほとんど食べられていないからもう切ろうかな」って話していたお家で「今年はジャムにしてみた」とか「みかんシロップ作ってみたよ」とかそういう話を聞くことがあったりしてすごく嬉しかったりしますね。

-TOBA TOBA COLAさんの活動があるからこそ、これも活用できるっていう風に思ったりとかするんだろうなとお話を聞いていて思いました。

喜界島は土壌も良く、みかんの木も肥料をあげなくてもどんどん育っていくんですよね。古い時代の食糧難の時にはみかんでみんな生きながらえている時期もあったと聞いています。大切に受け継いでいけたらいいなと思うし、それが島の財産に繋がると思っています。

TOBA TOBA COLAさんの今後やメッセージ

-今後のTOBA TOBA COLAさんの活動を伺ってもよろしいでしょうか。

コーラを作るときにスパイスの出涸らしがたくさん出るのですが、その出涸らしにスパイスシロップを入れて美味しく焼き上げたグラノーラがあります。

あと最近ではトロピカルフルーツを使ったコーラも作りました。

-トロピカルフルーツのコーラは、ちょっと柑橘が多めなんですか?

パッションフルーツ、マンゴー、島みかんの3種類が入っています。フルーツも規格外のものや、台風で出荷できなかったりしているものを使ったり…フルーツ農家さんと一緒に作らせてもらっていますね。

-すでに販売されているのでしょうか。

オンラインストアで販売しています。また、今後は新しい商品の販売に向けて、開発を進めているところです。あとは、TOBA TOBA COLAを気軽に飲んでもらえるように普及活動にも力を入れていきたいです。

-台湾に出店したりもしていらっしゃいましたもんね。

台湾で販売を開始して、オンラインウェブサイトもオープンする予定なので、海外でも喜界島のコーラを飲んでもらえるのが楽しみですね。あと、最近コーラナッツを使用したアクセサリーを作ってみたんですけど、こちらもこれから販売をしていこうかなと思っています。

-TOBA TOBA COLAのデザインも可愛いですよね。

デザインは私が担当していて、Tシャツを作ったり、写真を撮ったり、 島の中で完結できるようにできるだけ自分たちでやっています。

ちなみに、オンライン販売で購入してくれた方々には自家製の地図を同封しているので、これを見ながらいつか喜界島に遊びにいきたいなあと妄想をしてもらえたら嬉しいですし、実際に来ていただけたら、いい場所だなって感じることがきっとあるかと思うので、ぜひその体験をしに来ていただけたらと思います。

-ありがとうございました!

TOBA TOBA COLAさんとのインスタライブはこちらから