調味料の中でも、料理や飲み物として再注目されている・みりん。みりんには、アルコールが含まれているため、昔はお酒として飲用されていました。近年、調味料としての役割はもちろんのこと、飲み物としても楽しまれています。テレビや雑誌で活躍する料理家からも愛されている「福みりん」をご存じでしょうか。
「福みりん」の作り手である福光屋(ふくみつや)は、江戸時代、城下町である石川県金沢市で創業しました。創業から約400年もの間、日本酒をつくり続けています。
株式会社福光屋で広報を担当されている岡本亜矢乃さん、平木明美さんへのインタビュー第2弾。今回は、2023年に「福みりん」シリーズを刷新した際の思い、福みりんの今後についてお話を伺いました。
「福みりん」の進化はとまらない
ーあらためて「福みりん」のこだわりを教えてください。
原材料と製法にこだわっています。福光屋の「福みりん」は、もち米、米麹、焼酎または醸造アルコールを主原料として醸造される本みりん(酒類調味料)です。福みりんは、丁寧につくられた米麹、もち米に自社の本格米焼酎を加えて仕込み、8カ月以上の時間をかけてじっくりと熟成していきます。
また、本みりんをつくるうえで認められている糖類や調味料も一切使用していません。麹菌の力により、引き出される原料本来の味わいを大切にしています。
ー2023年9月に「福みりん」シリーズを刷新していますね。刷新に至る思いや内容を教えてください。
近年のみりん人気の高まりと、より原材料や製法にこだわった商品をお届けしたいという思いからでした。仕込みの際に、外部のメーカー様から購入した焼酎を使っていた商品もありましたが、刷新のタイミングで自社の本格米焼酎を使用することにしました。
焼酎は日本酒を蒸留してつくられます。福光屋の日本酒は、米と水、米麹だけでつくる純米酒で、すべて国産の原料を使用しています。
ーこだわりぬいた原料と伝統的な製法でつくられた「福みりん」なのですね。他にもリニューアルのポイントはありますか。
これまで販売していた「純米本味醂 福みりん」「純米本味醂 福みりん 三年熟成」に加えて「純米本味醂 福みりん 十年熟成」をラインナップしました。
熟成期間によって、みりんの味わいが変化します。「純米本味醂 福みりん 十年熟成」は、うまみやコクがあるため、料理やデザート、飲み物の風味づけに最適です。個人的には、ステーキソースを試していただきたいですね。
「純米本味醂 福みりん 十年熟成」をラインナップに加えることで、みりんの活用範囲が広がることを期待しています。和食だけにとどまらず、自由な発想で料理を楽しんでいただきたいです。
さらに、パッケージのデザインもリニューアルしました。パッケージに描かれている「福」という文字は、神様に酒をささげ、幸せを祈ることを表していると言われています。社名「福光屋」や先々代の11代目が命名したと伝わる代表銘柄「福正宗」から取り、「福みりん」としました。
届けるまでもこだわり抜く
ーこだわりと思いがつまった「福みりん」をどのような方に届けていきたいですか。
これまでもプロの料理家の方や食に対する感度の高い方が、手に取ってくださっているように思います。これからも、原料や添加物の有無、安全性を重視されている方の期待にお応えしていきたいと考えています。
ー「福みりん」をお届けするために、大切にされたいことを教えてください。
直営店、自社オンラインショップ、公式SNS、商品お届け時などの直接的なコミュニケーションと、愛用者の方々のSNSなどの生のお声を大切にしていきたいです。私たちは広告に投資をしていません。だからこそ、純度の高い情報をお届けできると考えております。
特に商品と一緒にお届けしている会報誌は、福光屋のメディア編集局で制作しています。お客様の暮らしや健康のお役に立てる情報を掲載しています。
また、東京と金沢に直営店を4店舗展開しています。商品はもちろんのこと、金沢の伝統文化もお伝えしています。「福みりん」を味わっていただくために試飲も行っております。ぜひ、足を運んでいただけたらと思います。
ー最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします。
私たちは原料や製法にこだわったみりんをつくっています。お手頃な価格とはいえないかもしれませんが、自信をもって商品をお届けしています。ぜひ、私たちの「福みりん」を評価してくださる方は、親しい方、大切な方に共有してくださったら嬉しいです。
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