私たちの食卓を彩る調味料のひとつ、七味唐辛子。うどんや蕎麦にかけたり、汁物にちょい足ししたり…普段当たり前のように使っている七味唐辛子ですが、「何が入ってるんだろう」と気になったことはありませんか?
今回は、その中身にクローズアップ!原材料や歴史、意外と知らない一味唐辛子との違いなどについて、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、最も身近な香辛料のひとつ・七味唐辛子をもっと好きになるはず。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
私たちの食卓を彩る調味料のひとつ、七味唐辛子。うどんや蕎麦にかけたり、汁物にちょい足ししたり…普段当たり前のように使っている七味唐辛子ですが、「何が入ってるんだろう」と気になったことはありませんか?
今回は、その中身にクローズアップ!原材料や歴史、意外と知らない一味唐辛子との違いなどについて、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、最も身近な香辛料のひとつ・七味唐辛子をもっと好きになるはず。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
まずは七味唐辛子の原材料として使用されることが多い食材を見てみましょう。
“七味”という名前から7種類の食材でできていると思っている方も多いかと思いますが、実は唐辛子以外の内容物については特に決まりはありません。なかには材料を7種類に限らずに作られているものもありますが、縁起のいい「七」を冠した名前は日本人に広く親しまれています。
店によって使用している原材料が違うので、それぞれの個性を楽しめるのも、七味唐辛子の魅力のひとつですね。
「辛いもの」というイメージが強い七味唐辛子。しかし原材料を見てみると、辛味のある材料は決して多くありません。唐辛子の種類にもよりますが、七味唐辛子は辛味よりも風味を楽しむ薬味としての側面が強い調味料です。辛いものが苦手な方でも、辛味を抑えた調合であれば楽しめるのが嬉しいところ。
いろいろな七味唐辛子を食べ比べて、ぜひ好みの一品を探してみてくださいね。
様々な食材を合わせて作られる七味唐辛子。その原材料のひとつひとつに、私たちの身体に嬉しい効能が詰まっているのをご存知でしょうか?
七味唐辛子の肝・唐辛子の辛味の元になっているカプサイシンは、胃液の分泌を促して消化吸収を助け食欲を増進させたり、血を巡らせ身体をあたためてくれる効能があります。脂肪を燃焼しやすくしてくれるため、ダイエットにも効果的です。
その他カロテン、ビタミンE、ビタミンCなどが豊富に含まれており、動脈硬化や心筋梗塞など生活習慣病の予防にも◎。
ピリリと舌が痺れる辛さが特徴的な山椒の辛味は、サンショオールという成分が基になっています。このサンショオールは内臓の働きを助け、消化を促し胃腸を整えるのに効果アリ。
新陳代謝を活発にしてくれるので血行の改善や発汗作用にも繋がり、古くから生薬などに活用されてきました。
生姜の辛味や香りの成分には防腐剤や利尿剤としての効果があり、体内にこもった熱を排出し、むくみの解消などにも役立ちます。
こちらも漢方ではお馴染みの食材で、胃腸のむかつき、嘔吐といった症状に効果があると言われています。
良質な脂質やタンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、食物繊維と、人間に必要な栄養素をふんだんに含んでいる胡麻。『ゴマリグラン』という特有の成分が強い抗酸化作用を持っているため、老化防止などにも繋がります。
ちなみに黒胡麻と白胡麻、どちらも七味唐辛子の材料として使用されることが多い食材ですが、栄養素的には大きな違いはありません。
陳皮とは、みかんの皮を乾燥させた生薬のこと。「陳」は「古い」という意味で、古い薬ほど優れた薬効があることから転じて命名されました。
陳皮には血管を広げて血を巡らせ、手足の冷えなどを解消してくれる効果が。また、咳や痰に効くため、漢方では風邪薬として利用されていました。
油分が多く、クルミのような甘みのある香ばしさが特徴のケシの実は、オレイン酸が豊富で、善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らしてくれます。動脈硬化や高血圧、糖尿病といった生活習慣病、血管由来の心疾患の予防にも役立ちます。また、食物繊維やビタミンB群、ミネラルが含まれており、心身の調子を整える手助けもしてくれます。
七味唐辛子の中でも一際存在感を放っている麻の実。炒ると香ばしさが増し、一口食べるたびにパリッとした歯ごたえが感じられるのが楽しいですよね。
麻の実にはタンパク質や必須脂肪酸、鉄、亜鉛、マグネシウムといった不足しがちな栄養素がバランスよく含まれており、近年スーパーフードとしても注目が集まっています。
海苔は「海の野菜」と呼ばれるほど栄養素が豊富な食材です。食物繊維やビタミン、タンパク質に加え、がん予防が期待できるEPAも含まれているというのだから驚き。疲労回復や整腸作用、肝臓の働きを活性化してくれる効果も。
昔から漢方薬の素材としても活用されていた紫蘇。発汗作用や解熱作用、胃液の分泌を促し消化を助ける効果があり、風邪薬や整腸剤の材料として重宝されてきました。目の健康に繋がるアントシアニン系の成分が含まれているのも嬉しいポイント。
紫蘇の爽やかな香りには食欲を刺激する効果があるので、七味唐辛子を使った料理がさらに美味しく感じること間違いなしです。
前章では七味唐辛子がいかに健康にいいかというお話をたっぷり解説してきましたが、それもそのはず、実は七味唐辛子は元々薬として生まれたのです。その発祥は、なんと約400年前まで遡ります。
七味唐辛子が生まれたのは、江戸時代初期の1625年。江戸の薬研堀という地で、商人・からし屋徳右衛門が発明したのが始まりです。 漢方薬の研究者でもあったからし屋徳右衛門は、漢方薬から着想を得て、七味唐辛子の前身となる『七色唐辛子』を生み出しました。
漢方を食として取り入れられないか、という観点から発明された七色唐辛子は瞬く間に江戸中に広まり、やがて日本中で食事のお供として親しまれるようになっていきます。
薬研とは、当時薬を調合する際に材料を擦りつぶすために使用されていた道具のこと。薬研堀はその名のとおり医者や薬問屋が多く、『医者町』とも呼ばれていました。
さて、日本には七味唐辛子に姿も名前もよく似た『一味唐辛子』というものが存在します。なんとなく使っているけど違いは分からない、という方も多いはず。
二つの香辛料には、一体どんな違いがあるのでしょうか?
一味唐辛子は、七味唐辛子と違い、唐辛子一種類のみで作られる調味料です。乾燥させた唐辛子の実だけを粉末にしているため、唐辛子のストレートな辛味を味わえるのが特徴。
一味唐辛子は使用されている唐辛子の種類によって辛さの度合いが変わってくるため、購入前は原材料を要チェックです。
一般的には多種多様な材料をブレンドして作られている七味唐辛子より、唐辛子のみで作られた一味唐辛子の方が辛味が強いと言われています。
一味唐辛子は純粋な辛味をプラスしてくれるため、麻婆豆腐やスンドゥブ、カレーなど、料理に辛さを足したいときにおすすめ。
一方、七味唐辛子は、香りと風味が大きな魅力。ざるそばに薬味として振りかけたり、甘みの強い親子丼などの味をピリリと締めるのも乙ですね。
風味豊かな七味唐辛子は、繊細かつ素朴な和食との相性が抜群です。和食の美味しさをさらに引き立ててくれますよ。
中身の効能や歴史もいいけど、やはり一番気になるのは“七味唐辛子をどうやって使うか”ではないでしょうか。汁物や麺類、焼き鳥の薬味として使うことが多い七味唐辛子ですが、定番以外のアレンジは案外パッと思いつかないものですよね。
ここでは著者個人がおすすめする、七味唐辛子の簡単レシピをご紹介!ぜひ一度試してみてください。
七味唐辛子の風味をストレートに味わうなら、出来たての揚げ餅に醤油を少々かけ、七味唐辛子を振りかけるのがおすすめ。
湯気とともにふんわり立ち上がる、醤油と七味唐辛子の香ばしく爽やかな香り。油を吸った餅がその香りをふんだんに吸い、口に入れた途端、じゅわっとその風味が広がります。
種を取り除いた梅肉にかつお節を混ぜ、七味唐辛子はたっぷりと。最後に砂糖をひとつまみ入れると味に深みが生まれます。できた種を米で包み込めば、食が進むピリ辛和風おにぎりの完成です。
全ての食材がバランスよく調和し、梅肉の酸味と七味唐辛子の風味豊かな辛味が食欲をそそりますよ。
マヨネーズにチリソースを加え、さらに七味唐辛子をプラスすれば、エスニックな香り漂う万能ディップソースに大変身! 甘みの強いチリソースに七味唐辛子の辛味が合わさって、キリリと締まった味わいに変化します。
ポテトフライや野菜スティックなどに合わせれば、宅飲みのお供としても優秀です。
ここまで様々な観点から七味唐辛子の魅力を紐解いてきましたが、最後に少々ニッチな世界も覗いてみましょう。味わいや効能まで網羅した後は、ぜひ七味唐辛子の“調合”に挑戦してみてはいかがでしょうか。
七味唐辛子の専門店では、自分好みの素材・割合で調合してくれるオーダーメイドサービスを行っているところも少なくありません。
辛いものが苦手な方は唐辛子を少なめに、代わりに陳皮を増量してさらに香り高い七味唐辛子をつくったり、柚やシナモンを追加してオリジナリティのある七味唐辛子を注文したりと、楽しみ方は十人十色です。また違った七味唐辛子の魅力に出会えますよ。
様々な角度から七味唐辛子の魅力に迫った今回、いかがでしたでしょうか。
普段何気なく使っている七味唐辛子だからこそ、意識して目を向けてみるときっと新たな発見があるはず。七味唐辛子をさらに堪能するための第一歩として、お役立ていただければ幸いです。
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